小児科が担当する患者は、当然のことながら子どもです。特に低年齢の患者は、大人のように自分の症状を言葉で的確に伝えることができません。そのため、トリアージを誤れば待合室で症状が急変したり、体調が著しく悪くなったりと様々な問題が起こりやすいとされています。そこで、小児科のナースは、患者の様子を注意深く見ることが大切です。また、同行している家族から、家での子どもの様子について詳しく話を聞くようにしましょう。症状が深刻だと感じたら医師と相談し、診察の順番を変更するなどの配慮も欠かせません。また、普段から入退院を繰り返したり、定期的に外来を受診したりしている患者の場合は、既に職場に子どもの持病などについての情報もあるでしょう。このように、小児科を受診する患者の様子に目を光らせて、気になるところがないか確かめる習慣をつけることが大切です。
診療を受ける子どもは、自分がこれから何をされるか想像できず、不安な気持ちにかられていることが少なくありません。その結果、泣き叫んだり、発作を起こしてしまったりする患者が出てきてしまうこともあります。このような問題を防ぐために、患者に対してこれからどのような診療が行われるのかをわかりやすく説明をしましょう。特に、注射など痛みを感じる処置に対して、子どもは大人よりもずっと怖がります。保護者の同意を得ながら、診察室や処置室でどのようなことが起こるのか、優しく説明することが大切です。